金属材料の特徴を徹底解説!
鉄鋼と非鉄金属の種類と特徴・金属の加工方法・材料の選び方紹介!

2022年5月19日

金属材料の特徴を徹底解説!

新しく金属製品を製造する場合、金属材料選びに迷ってしまうケースもあるでしょう。
この記事では、金属材料の特徴や向いている加工方法を知りたいと考えている人に向けて、金属材料の特徴を解説します。
あわせて金属の加工方法や金属材料の選び方も解説するため、この記事を読んで新製品の開発に役立ててください。


1.金属材料とは

金属材料は鉄鋼と非鉄金属に分けられ、加工目的によって使い分けます。以下では、鉄鋼と非鉄金属について解説します。

鉄鋼

鉄鋼とは、鉄を主成分としたもので鉄ではありません。
合成材料として、炭素やニッケル、クロムなどが使われており、鉄よりも強くて加工しやすいというメリットがあります。
また、合材材料を変えることで、多くの種類の鉄鋼が作られます。

非鉄金属

非鉄金属とは鉄以外の金属で、鉄と鉄鋼を除く金属の総称です。非鉄金属は、埋蔵量によって名称が変わります。
埋蔵量の多いベースメタル、埋蔵量の少ないレアメタル、貴金属などを指すプレシャスメタルに分けられます。

2.鉄鋼の種類と用途

鉄鋼の種類と用途の一覧表は以下のとおりです。

鉄鋼の種類と用途

炭素鋼

炭素鋼は鉄と炭素の合金で、一般的には鋼(はがね)とも呼ばれています。
炭素鋼は、熱処理によって性質を変えられるため、さまざまな用途で使われている材料です。
たとえば、自動車や家電、ビルや橋などの建築素材、工具など幅広く使われています。
炭素含有量が少ない順に、SPC材・SS材・SC材・SK材などがあります。

合金鋼

合金鋼とは、炭素鋼をベースとしたもので、さまざまな元素を追加した鉄鋼です。
追加される元素はクロムやマンガン、ニッケルなどで、元素をプラスすることで強度や性能が高まります。
合金鋼には、ステンレス鋼やクロムモリブデン鋼(耐熱鋼)、高張力鋼(ハイテン)などがあり、
キッチンや自転車のフレーム、エンジン部品など幅広く使われます。

鋳鉄(ちゅうてつ)

鋳鉄は、炭素含有量が2.1~6.7%で融点が低く、型に流し込んで成形できます。
マンホールのふたや水道管、自動車部品などの用途で使われます。鋳鉄=鋳物と考える人もいますが、鋳物に使われる材料が鋳鉄ではありません。
鋳物は溶かした材料を型に流し込み製造されたものを指します。
鋳鉄には、白鋳鉄やねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄(ダクタイル鋳鉄)などがあります。

3.非鉄金属の種類と用途

非鉄金属の種類と用途の一覧表は以下のとおりです。

非鉄金属の種類と用途

アルミニウム・アルミニウム合金

アルミニウム・アルミニウム合金は、軽い・強い・サビにくいという特徴があります。
また、加工しやすく熱や電気を伝えやすいなど、メリットの多い材料です。
アルミニウム合金は、展伸用合金と鋳物用合金の2つに分類されます。
展伸用合金とは、圧延したり鍛造したりして加工したもので、鋳物用合金とは熱で溶かして冷やし固めることを前提としたものです。

銅・銅合金

銅と銅合金は、加工しやすくサビにくい素材です。また、熱伝導率と電気伝導率が高くなっています。
フライパンや鍋などの日用品から、家電などの材料など幅広く使われます。
銅合金には、100円などに使われる白銅や10円に使われる青銅、5円に使われる黄銅などがあります。
黄銅は真鍮とも呼ばれ、もっとも使われているのが純銅と真鍮です。

亜鉛・亜鉛合金

亜鉛は典型元素に分類される金属で、亜鉛合金は亜鉛にアルミニウムや銅などを混ぜたものです。
アルミニウムより溶解温度が低く、複雑な形に成形しやすくなっています。
亜鉛や亜鉛合金は、ダイカストに使われます。ダイカストとは、溶かした合金を金型に充填し、複雑な形の製品を作るための鋳造技術です。

チタン・チタン合金

チタンとチタン合金は、他の金属よりも軽量で強く、サビにくい金属です。宇宙、航空機用材料や建築材料など幅広く使われています。
チタンとチタン合金を区別する意味で、チタンは純チタンとも呼ばれます。
チタンは発見自体は遅く、実用化され始めたのは1946年ですが、最先端技術などさまざまな分野で広く使われている可能性の高い金属です。

マグネシウム・マグネシウム合金

マグネシウム・マグネシウム合金は、実用金属の中でもっとも軽く、強度と剛性に優れています。
軽量化と強度の両立が重要な、ノートパソコンや車いすなどの福祉用品などになどに使われています。
このように、メリットが多く優れた金属です。しかし、燃えやすい・サビやすい・加工しにくいなど、課題点もあります。

ニッケル・ニッケル合金

ニッケル・ニッケル合金は非常にサビにくく、加工しやすい金属です。また、高い耐熱性を持ちます。
そのため、レーシングカーのマフラー素材、調理器具や医療機器、50円玉などに使われています。
ニッケル合金には以下のような種類があります。

  • ニッケルクロム合金:インコネルやハステロイ
  • ニッケル銅合金:モネルやキュープロ
  • ニッケル鉄合金:パーマロイやコバール

4.金属材料の加工方法

金属材料の加工方法は、大きく分けて3つです。

成形加工

成形加工とは、熱や圧力などによって変形・成形して、目的の形を作る加工方法です。変形加工とも呼ばれています。
成形加工は大きさなどの制限がないため、生産性がとても高くさまざまな部品製造に使われています。
成形加工としては、鍛造や焼結、塑性加工、鋳造が代表的です。

除去加工

除去加工とは、材料となる金属から不要な部分を削り取っていく加工です。
細かな寸法で加工できるため、高精度な製品を製造できる、加工プログラムを作れば大量生産できるなどのメリットがあります。
ただし、切りくずが大量に出るため、処理が必要です。除去加工としては、切削加工や研削加工、放電加工などが代表的です。

付加加工

付加加工とは、金属に材料を付加して目的の形を作る加工方法です。
従来の加工方法では作れなかった形などを作れるというメリットがあります。
代表的な付加加工としては、3Dプリンタで積層造形を行う3Dプリントやペンキ塗装や金メッキなどの被覆加工、
接着や溶接などを行う接合加工などが挙げられます。

5.金属材料を選ぶ際に気をつけるべき5つのポイント

金属にはさまざまな特性があります。
そのため、金属を加工する場合には、どのような目的で製品を作るのか、
使用用途や加工方法などに合った特性を持つ素材を選ぶことが重要です。
ここでは、金属材料を選ぶ際に気をつけたいポイントを解説します。

展性と延性

展性とは横に伸びる性質で、延性とは縦に伸びる性質のことです。
まとめて展延性と呼ばれることもあり、展延性のある素材は柔軟に変形できます。
銅やアルミニウム、金などは展性と延性が高く、圧延やプレスなどの加工に向いています。

導電性・熱伝導性

導電性とは電気を通す性質で、熱伝導性とは熱を伝えやすい性質です。
導電性や熱伝導性が高いものとしては銅やアルミニウムなどが挙げられます。
そのため、電線や電気コード、フライパンなどの電気や熱を通す必要のあるものに向いています。

光沢

光沢とは、光が反射してキラキラと光る性質のことです。
外観の美しさを左右する要素となるため、金属加工でも重視されるポイントです。
金・銀・銅・真鍮などは光沢のある金属で、装飾や硬化などに使用されます。

強度

強度と一口にいっても、種類があります。

  • 硬度:傷つきにくさ
  • 脆性:壊れやすさ
  • 粘性:壊れにくさ
  • 剛性:変形しづらさ

軽量化を目指す場合強度が低くなる傾向にあるため、必要な強度によって選ぶべき材料が変わります。

溶融性

金属は常温では固体ですが、高温で溶けるという性質を持ちます。溶融性が高い金属は、鋳造や溶接などの加工方法に向いています。
たとえば、亜鉛などは溶融性が高いです。そのため、ダイカストなどによく使用されています。

6.まとめ

金属材料は、鉄鋼と非鉄金属に分けられます。鉄鋼と非鉄金属にもさまざまな種類があり、それぞれに特性が異なります。
適した加工方法なども異なるため、製造目的や用途などに合った金属を選びましょう。

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