ガスタービン部品材:低熱膨張超耐熱合金 HRA929

一般に低い熱膨張係数を有する材料としては、Fe-36Niからなるインバー合金やFe29Ni-17Coからなるコバール合金が知られています。しかしながらこれらの合金は強度があまり高くないため、高い応力がかかる部品、あるいは高温にさらされる部品には適用できませんでした。 HRA929 は合金設計手法を用いて開発された合金で、低い熱膨張係数に加えγ' 相の析出強化を利用することで約650℃までの温度で高い強度を有し、さらに優れた組織安定性と延性を兼ね備えた合金です。

重要なお知らせ

本ホームページに記載されている製品情報は、製品概要です。
採用にあたっては、必ず担当部署にお問合せの上、詳細な資料等をご請求ください。

特長

図1 各合金の平均熱膨張係数

(1) 低熱膨張合金コバールに近い熱膨張係数を有します。

図2 各合金の引張強さ

(2) 高温強度の高い合金として知られるAlloy718に近い常温および高温強度を有します。

図1 各合金の平均熱膨張係数

(3) クリープ破断強度が高く、ノッチ感受性を示しません。

各合金のクリープ破断特性

なお、従来のγ' 析出強化型低膨張合金であるAlloy903 、Alloy909 と比較すると、HRA929 はさらに熱膨張係数が低く、クリープラプチャー切欠き感受性、組織安定性が改良されています。

用途

こうした特長を活かし、セラミックあるいはガラスと接合され、常温あるいは高温で高い強度が要求される各種部品や、高温で小さいクリアランスが要求されるガスタービン等の部品に適用が可能です。


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