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「工具損傷を抑制する保護膜を活用した高被削性冷間ダイス鋼の開発」が令和6年度 素形材産業技術表彰「一般財団法人素形材センター会長賞」を受賞

2024年11月5日
株式会社プロテリアル

 株式会社プロテリアル(以下 プロテリアル)の「工具損傷を抑制する保護膜を活用した高被削性冷間ダイス鋼の開発」が、一般財団法人 素形材センター主催の素形材産業技術表彰において「一般財団法人素形材センター会長賞」を受賞しました。

1.名称

工具損傷を抑制する保護膜を活用した高被削性冷間ダイス鋼の開発

2.受賞

「一般財団法人素形材センター会長賞」

プロテリアル 特殊鋼事業部 工具鋼部 黒田 克典
植木 道男
安来工場 技術部 庄司 辰也

3.発明概要

高被削性冷間ダイス鋼
SLD-f

 自動車骨格部品(プレス部品)においては衝突安全性の向上や軽量化のため、高張力鋼板(ハイテン鋼板)の適用拡大が進んでいます。より高強度・高硬度なハイテン鋼板が使用されるようになっていることから、加工時に金型へ与えるダメージが深刻な問題となっています。また、サプライチェーン全体のリードタイム短縮が求められる中、加工品の開発・生産における金型の制作や工程管理・設計など、加工のための準備期間の短縮化ニーズも高まっています。

 プロテリアルが開発した高被削性冷間ダイス鋼「SLD®-f」は、ベラーグ※1を生成させやすい成分構成と、炭化物の微細化・低減によって、冷間ダイス鋼として一般的なSKD11の標準切削条件の約3.5倍の高効率被削性※2を実現しており、お客様での切削加工速度の向上および金型加工時間の短縮に貢献します。また、高い靭性※3を持ち合わせているため、金型として使用される際の耐久性や耐チッピング性にも優れています。さらに、高温焼戻しを施す場合でも安定した硬さが得られ、PVD処理※4時の寸法変化の抑制にも有効です。

 プロテリアルは、新材料の開発とお客様の課題を解決するソリューション技術により、高品質化ニーズに対応した金型業界の変革を支える提案をし続けていきます。

4.特許

日本および国際特許取得済み

以上

【報道機関からのお問い合わせ】
コミュニケーション部 担当 車谷 TEL 080-2108-0159

SLDは株式会社プロテリアルの登録商標です。

  1. ※1切削中に被削材成分より工具刃先に形成される酸化物系保護膜。
  2. ※22021年8月19日 日立金属株式会社「SLD-f」ニュースリリースより
  3. ※3材料の粘り強さのことで、破壊に対しての抵抗の大きさ。
  4. ※4Physical Vapor Deposition(物理蒸着)の略。表面改質技術のひとつで金属材料にセラミックスの薄膜を生成させる加工技術。薄膜により材料の耐摩耗性、耐かじり性、滑り性、耐溶着性、耐熱性、耐食性など、さまざまな特性が得られる。