高純度アルミニウム電析技術ALectro™の技術供与を開始
2024年10月17日
株式会社プロテリアル

株式会社プロテリアル(以下、プロテリアル)は、アルミニウム電気めっき方法である高純度アルミニウム電析※1技術「ALectro」(アレクトロ)の技術供与を開始しました。本技術は、高純度なアルミニウムの成膜・製箔を可能とするもので、アルミニウムの特性である高い導電性や熱伝導性を活用したデバイスの機能向上や、成膜を施した基材の耐食性および意匠性の向上に寄与します。本技術は、10月29日から幕張メッセで開催される「第4回 サステナブル マテリアル展」に出展する予定です。
1.背景
アルミニウムは金属材料の中では軽量で、高い電気・熱伝導性や耐食性などの特性を有することから、モビリティや電子機器、建築材など、さまざまな産業分野で使用されています。特に、アルミニウム膜を基材表面に施す蒸着法※2は1μm以下の膜厚のアルミニウムを析出することにより、基材の耐食性や光学的・電気的特性を向上させることができるため、包装材料や光学機器、電子部品などに用いられています。これらの優れた特性により、アルミニウムの付与に対する需要が高まっており、特に、アルミニウムの特性をより付与できる厚膜のアルミニウムを基材表面に析出する技術が求められていました。
2.概要
このたびプロテリアルは、蒸着法では実現困難な、数μm~数十μm厚の高純度アルミニウム膜を基材に析出できる革新的なアルミニウム電析技術ALectroを開発し、技術供与を開始しました。
ALectroは金属基材だけでなく、一部の樹脂や炭素繊維強化プラスチックなどの軽量基材にもアルミニウムの厚膜を析出できます。また、基材形状の自由度が高く、箔やフィルムなどのフラットな形状から構造物までアルミニウムの厚膜を析出できます。ALectroの適用により、高い電気・熱伝導性や耐食性などのアルミニウムの特性を多種多様な用途で活用でき、デバイスの機能向上や基材の耐食性向上を実現します。さらには、基材にアルミニウム膜を施した後のアルマイト※3処理による着色で、塗装工程を削減しつつ外観に意匠性をもたらすことも可能です。
プロテリアルは、最適なめっき条件や装置構成などを含むアルミニウム電析技術ALectroの一貫した技術を供与することで、お客さまの課題解決に貢献していきます。
なお、アルミニウム電析技術ALectroは、10月29日から幕張メッセで開催される「第4回サステナブルマテリアル展」にて出展する予定です。
製法 | ALectro | 蒸着 |
---|---|---|
純度 (mass%) | >99.0 | >99.0 |
対応膜厚 (μm) | 3-100 | <1 |
面粗さSa (μm) | >0.10 | <0.10 |

(左: 金属ブロックの全面にALectroを施したサンプル、右: 銅箔にALectroを施したサンプル)

3.特許
国内外で出願済み
以上
【お客様からのお問い合わせ】
営業本部 担当 松田 TEL 070-7511-6588
【報道機関からのお問い合わせ】
コミュニケーション部 担当 車谷 TEL 080-2108-0159
ALectroはプロテリアルの商標です。
- ※1金属が電気化学的に析出・被覆する現象。電気めっき。
- ※2金属を高真空状態で加熱蒸発させ、その蒸気を基材表面に付着させて基材に金属の薄膜を析出させる手法。
- ※3電気化学反応によりアルミニウム表面に人工的に酸化被膜を生成させる処理のこと。溶液中に浸けて電気分解を行うことで被膜を生成させる。酸化被膜に染料を吸着させることで、製品を任意に着色することができる。