外観検査システム&ソリューション「なんでもInspector®」を開発
2021年5月25日
日立金属株式会社
日立金属株式会社(以下、日立金属)は、手扱い・目視・判定を伴う外観検査などの人手作業を自律的に自動化するシステム&ソリューション「なんでもInspector® ※1」をデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)とオープンイノベーション※2で開発し、実証を開始しました。
引き続き連携パートナーとともに開発に取り組み、実証での効果や改善点を踏まえ、量産工程への適用を進めます。また、日立金属では「なんでもInspector®」に限らずDXの分野において連携できるパートナーを募集しています。
1.背景
製品の外観検査を自動化する際にはその都度、人がロボットに動作を教示し、画像判定システムを作るため、多くの手間がかかります。さらに、モノづくりのグローバル競争に勝ち抜くためには、人財育成にかかる時間やコストを抑えながら、モノづくり力を高める必要もあります。そこで日立金属は、DXを活用し、人がロボットに教示しなくとも、外観検査が可能な自律化技術の開発に着手しました。しかし、さまざまな製品に対応できる汎用性と高い精度を併せもつ自律化技術の開発には、クリアすべき多くの課題があります。
日立金属は、この課題の解決に自社の生産技術にDXとオープンイノベーションを組合せ、自律型の外観検査システム&ソリューション「なんでもInspector®」を開発しました。
2.概要

(写真はモデル機の装置外観)
「なんでもInspector®」は、手扱い・目視・判定を伴う人手作業の自動化を個別に行うハンドリング・撮影・判定ユニットに分割し、これら複数のユニットにおいて検査作業に最適な機能を構築することで、以下に示す検査工程の自律的な自動化をめざします。
ハンドリングユニットにおいては、初めて取り扱う製品に対して、深層学習(ディープラーニング)により製品の形状を把握し、ピッキングの軌道を自動生成することで、人による教示を不要にします。さらに、あらかじめ登録された3D CADデータに基づいてシミュレーターが製品の検査点を自動生成するとともに、効率的に検査できるよう、動作順序を最適化して画像撮影の軌道計画も自動生成します。
画像の撮影においては、死角が生じないようにハンドリングユニットと撮影ユニットを組み合わせ、判定に必要な画像を撮影し、画像解析を行います。画像解析には、画像処理とディープラーニングを組み合わせ、製品に不良箇所がないか、AIが学習を繰り返すことで、判定精度を高めていきます。さらに、蓄積された検査データを活用し、製品へのフィードバックを充実させ、より高品質で、新たな価値をもつモノづくりの実現に貢献します。
このたび、上記コンセプトの原理検証を実施し、実証を開始しました。連携パートナーとともに開発に取り組み、実証での効果や改善点を踏まえ、量産工程への適用を進めます。
また、日立金属ではDXの分野において連携できるパートナーを募集しています。DXの活用により、新たな製品やソリューション・サービスを提供し、持続可能な社会を支える高機能材料会社をめざします。
なお、2021年5月26日(水)から7月30日(金)までオンラインにて開催される「人とくるまのテクノロジー展2021」の日立金属出展サイトにて、「なんでもInspector®」をご覧いただけます。
以上
【なんでもInspector®および連携に関するお問合せ窓口】
日立金属株式会社 グローバル技術革新センター 新事業開発部 extuse.grit.yj@hitachi-metals.com
【報道機関からのお問い合わせ】
日立金属株式会社 コミュニケーション部 担当 吉原 TEL 03-6774-3073
<注釈>
- ※1なんでもInspectorは、日立金属(株)の登録商標です。
- ※2株式会社エクサウィザーズ様のRobot AI「COREVERY」による自律的なロボット制御や、NTN株式会社様のi-WRIST®によるハンドリング機構の高速動作の実証を進めております。
COREVERYは、エクサウィザーズの登録商標です。i-WRISTは、NTN株式会社の登録商標です。