東日本地区の物流倉庫・加工工場の集約移転
2020年9月9日
日立金属株式会社
日立金属株式会社(以下 日立金属)は、金型用工具鋼の販売会社「日立金属工具鋼株式会社」(以下、日立金属工具鋼)の東日本地区に有する物流倉庫と加工工場を約30 億円投資して埼玉県加須市に集約移転し、サービス体制を強化します。集約移転した同物流センターは金型用工具鋼を取り扱う国内最大級の規模を有しており、お客様への納入リードタイムをおよそ20%短縮することで生産性向上のニーズにお応えしていきます。
1.集約移転の目的
金型用工具鋼は、日立金属の主力製品の1つであり、同事業の強化・拡大に向けた成長戦略を展開して国内外の市場でのさらなる拡販をめざしています。成長戦略の一環として、熱間工具鋼の製品性能と生産性向上に向け、近年では安来工場(島根県安来市)への1 万㌧級自由鍛造プレスの導入、各拠点への切断・加工、および表面処理・熱処理の設備導入や、新たな製品の開発など、サービス体制強化に向けた施策を展開しています。
こうした中、日立金属は、工具鋼販売会社である日立金属工具鋼の東日本地区に保有する物流倉庫と加工工場を約30 億円投じて埼玉県加須市に集約移転することで流通を整備し、お客様への納入リードタイムをこれまで以上に短縮します。
具体的には、立体自動倉庫の導入をはじめプレート加工までの自動一貫ラインを段階的に構築し、さらには、e コマースシステムを刷新してお客様の使い勝手を向上させることで、引き合いから納入までのリードタイムを約20%短縮する計画です。プラスチック金型やホットスタンプ※1型の分野で増加している穴加工ニーズに対応するため、ガンドリルマシン※2などの加工機器も導入しお客様への納入体制の強化およびサービス向上を図ります。
集約移転により、金型用工具鋼を取り扱う流通センターとしては国内最大規模のものとなり、東日本地区における供給体制をより強化・拡充し、需要へのタイムリーな対応を実現していきます。
日立金属グループは、今後も材料技術・製品開発力を高め、お客様のニーズに基づく新たな製品やソリューション・サービスを提供していくことで、市場基盤の拡大および国内外での持続的成長をめざします。
2.概要

(埼玉県加須市)
- 1)集約拠点
- 東日本物流加工センター
(埼玉県加須市)
- 2)導入設備
- 新建屋、自動化設備、プレート自動加工ライン、ガンドリルマシン、新e コマースシステム
- 3)投資金額
- 約30 億円
- 4)稼働時期
- 2020年10月
以上
【お客様からのお問い合わせ】
日立金属工具鋼株式会社 東日本物流加工センター 担当 山村 TEL 0480-70-0730
【報道機関からのお問い合わせ】
日立金属株式会社 コミュニケーション部 担当 車谷 TEL 03-6774-3075
<補足説明>
■新組織体制

- 2拠点(5工場)を1拠点同一建屋内に集約
- 立体自動倉庫の導入
- 段階的にプレート加工までの自動化ラインを構築
- 機械加工体制の強化、ガンドリルマシンの導入
- e-コマース刷新
■用語
- ※1ホットスタンプ:変態点以上の温度(900~950℃ほど)に加熱した鋼板材を水冷した型でプレスすることにより成形と同時に焼き入れをして、鋼板材を高張力化する工法
- ※2ガンドリルマシン:小銃や猟銃などの銃身に穴をあけるために開発された特殊な機械。ガンドリルによる加工は、高性能な穴を明けることができ、良好な仕上げ面が得られることが特長。