アモルファス変圧器用コア生産開始
2013年5月27日
日立金属株式会社
日立金属株式会社(本社:東京都港区、会長兼社長:藤井博行、以下日立金属)は、アモルファス変圧器向けに、アモルファスコアの生産・提供を開始します。これまでコア材料となるアモルファス金属を素材として提供してきましたが、新たにアモルファスコアとして提供を開始することで、アモルファス変圧器を生産していなかったメーカーでのアモルファス変圧器の生産が容易となります。
1.背景
アモルファス金属は、結晶構造組織を持たない金属で、溶解した金属を結晶構造組織となる前に急速に冷やすことで生産します。優れた磁気特性や高い機械強度を持つことから、電力配電用変圧器用コア、電子・電気回路用磁気コア、金属接合用材料として採用されています。日立金属は、このアモルファス金属のトップブランドであるMetglas™を世界に向けて展開しています。
アモルファス金属をコアに用いるアモルファス変圧器は、電磁鋼板をコアに用いた変圧器と比較して待機電流の損失を約1/3※1に抑えることが可能で、米国、中国、インド、日本などで採用がすすんでいます。日本国内の変圧器が全てアモルファス変圧器に転換されると仮定すると、その省エネルギー効果は、100万KWの発電所約2基分※2にも相当すると試算されます。
しかし、アモルファス金属は、電磁鋼板と比べて薄く、機械強度も高いため、アモルファスコアの生産には、専用の設備が必要です。そのため、変圧器メーカーがアモルファス変圧器の生産を開始するためには生産設備への投資が必要で、それが普及の課題にもなっていました。
2.概要

日立金属は、アモルファスコアの生産・提供を開始することにいたしました。これまでコア材料となるアモルファス金属を素材として提供してきましたが、新たにアモルファスコアとして提供を開始することで、アモルファス変圧器を生産していなかったメーカーでのアモルファス変圧器の生産が容易となります。また、お客様の希望納期や仕様変更の要望にも柔軟に対応できる体制も構築することで、省エネルギー性能の高いアモルファス変圧器のさらなる普及を目指します。
3.アモルファスコア生産について
- 1サンプル提供開始
: 2013年8月 - 2量産開始予定
: 2013年10月 - 3生産能力
: 100トン/月 コア容量により異なる。 - 4対応アモルファス変圧器容量
: 油入り2,500kVAまで、乾式1,500kVAまで - 5販売先
: 日本国内の変圧器メーカー
JECA FAIR 2013 第61回 電設工業展(5月29日~31日、東京ビックサイト)にアモルファスコアを出展いたします。
以上
【報道機関からのお問い合わせ】
コミュニケーション室 担当 南 TEL03-5765-4079
【お客様からのお問い合わせ】
高級金属カンパニー軟磁性材料統括部 担当 岡田 TEL03-5765-4054
- ※1日立評論 第93巻 第2号、P76(2011)
- ※2日立金属の試算による。
Metglas™は、日立金属グループの米国・Metglas社の商標です。