経営

インドにアモルファス金属材料Metglas™の製造拠点を設立

拡大する省電力化ニーズに対応

2026年2月27日
株式会社プロテリアル

 株式会社プロテリアル(以下、プロテリアル)は、インドにアモルファス金属材料Metglasの生産拠点を設立いたします。世界的に電力需要が拡大する中で、コア材料として使用することで変圧器を高効率化できるアモルファス金属材料Metglasの需要は大きく増加することが見込まれます。プロテリアルは、米国、日本にインドを加えた3拠点体制とすることで世界の省電力化ニーズに対応していきます。

写真:アモルファス金属材料Metglas

1.背景

 プロテリアルはアモルファス金属材料の省電力効果に早くから着目し、1970年代後半から研究開発に取り組んできました。2003年には日立金属株式会社(当時)として米国・ハネウェル社からアモルファス金属材料部門Metglas, Inc.(米国サウスカロライナ州)を買収し、アモルファス金属材料事業を本格的に開始しました。2007年には、安来工場(島根県安来市、現メトグラス安来工場)での量産も開始し、米国と日本の2拠点体制で製造、販売を行っています。また、2020年3月には、アモルファス金属材料Metglasのラインアップとして、変圧器のさらなる高効率化に寄与する新たなアモルファス合金MaDC-A®を開発するなど、研究開発から量産まで行うアモルファス金属材料のトップ企業です。

 近年、新興国の経済成長に加え、データセンターの急速な増加、電化の進展などにより、電力需要は顕著に増加しており、今後も増加が予想されています。その中でも特にインドは、人口増加に加えIT産業や工業を中心に経済発展が続くことにより急速な電力需要の増加が見込まれます。

 アモルファス金属材料Metglasは、変圧器のコア材料として使用することで、電磁鋼板をコア材料とする場合に比べ、待機電力を約1/3に削減することが可能で変圧器の高効率化を実現します。そのためインド国内では、電力インフラへの積極的な投資に伴い、変圧器の高効率化に必要なアモルファス金属材料Metglasの需要の急拡大が見込まれています。

 プロテリアルは、現在、インド市場向けに、メトグラス安来工場においてアモルファス金属材料Metglasを生産し、輸出しています。今後、インド市場を含むグローバルでの需要拡大が見込まれることから、新たにインド(スリシティ工業団地)に拠点を設立し、プロテリアルグループとして生産能力を増強することとしました。新拠点は主にインド国内の需要に対応していきます。

 プロテリアルは、今回の製造拠点設立により米国、日本にインドを加えた3拠点体制とすることで世界の省電力化ニーズに対応していきます。

  • 変圧器規格JIS C 4304:2024に基づく当社推定試算

2.概要

(1)会社概要

商号: Metglas (India) Private Limited
事業内容: アモルファス金属材料Metglas(アモルファス合金リボン)の製造
設立日: 2025年6月30日
出資者: プロテリアル74%
Shirdi Sai Electricals Ltd 26%
代表者: 小村 恭
従業員数: 200名(計画)
工場所在地: Plot No. 450, Street: Thespia Drive, Sri City Private Limited,
Tirupati District, PIN 517 646, Andhra Pradesh, India.

(2)スケジュール

工事着工: 2026年1月
稼働開始: 2026年10月

(3)生産能力

約3万トン/年(初年度)

以上

【報道機関からのお問い合わせ】
コミュニケーション部 担当 南、井上 TEL 050-3664-9519

(ご参考)

1. プロテリアルのアモルファス金属材料Metglas生産拠点

Metglas, Inc.
(1)事業内容: アモルファス金属材料Metglas(アモルファス合金リボン)の製造
(2)設立年月: 1989年4月
(3)所在地: 米国サウスカロライナ州
(4)資本金: 10百万USドル(Proterial America, Ltd. 100%出資)
メトグラス安来工場(株式会社プロテリアル パワーエレクトロニクス事業部)
(1)生産品目: アモルファス金属材料Metglas(アモルファス合金リボン)
ナノ結晶軟磁性材料ファインメット®
(2)設置年月: 2011年4月
  • 2007年にアモルファス金属材料Metglasを安来工場として生産開始し、その後同敷地内に別工場として設置
(3)所在地: 島根県安来市

2. Shirdi Sai Electricals Ltd概要

(1)事業内容: 配電用変圧器の製造
(2)設立年: 1994年
(3)所在地: Telangana, INDIA
(4)URL: https://ssel.in/

3. 用語解説

アモルファス金属材料(アモルファス合金)

 通常の金属は、原子が規則的に整列した結晶ですが、液体(高温の溶湯)から急冷すると原子が整列する時間がないまま不規則な液体状態に似た原子配列の固体になります。これがアモルファス金属です。結晶質の金属に比べて理想的な軟磁性材料とされています。鉄を多く含むアモルファス金属は磁束密度が高く、小さな磁界で磁化され易く、鉄心に適した性質を持ちます。変圧器の鉄心のほか、ノイズ抑制のための磁性部品にも使われています。変圧器の鉄心にアモルファス金属材料を使用した場合は、待機電力の損失(無負荷損失)を小さくすることができます。

変圧器用コア

左:変圧器内部イメージ 右:変圧器用コア

 変圧器は、電圧を変えるために使用されます。変圧器内部のコア(鉄芯)に巻き付けられた1次コイルと2次コイルの巻数によって電圧を変えることが可能になります。1次コイルに交流電流が流れるとコアに磁束が生じ、2次コイルに電磁誘導によって電圧が発生することで交流電流が出力されます。その際にコアは、磁束の経路としての役割を持ち、伝達するエネルギーの損失をできるだけ抑える必要があります。

 アモルファス合金を変圧器のコアとして使用する場合は、リボン状のアモルファス合金を積層してコアを形成します。

Metglas、MaDC-A、ファインメットは、株式会社プロテリアルまたはそのグループ会社の登録商標または商標です。