「異材接合向け新規Cu系ろう材の開発」が
界面接合研究委員会において「界面接合研究賞」を受賞
2025年7月10日
株式会社プロテリアル
株式会社プロテリアル(以下、プロテリアル)の「異材接合向け新規Cu系ろう材※1の開発」が、一般社団法人溶接学会主催の界面接合研究委員会において、「界面接合研究賞」を受賞いたしました。
1.受賞内容
題目:異材接合向け新規Cu系ろう材の開発
受賞者※2:株式会社プロテリアル 高野俊、栗原祐也、遠藤瑞生、能川玄也
2.受賞理由
本研究は、銅(Cu)をベースとした合金にさまざまな元素を添加することで、従来の銀(Ag)ろう材に比べて低温で異種材料の接合が可能な新規Cu系ろう材を開発したものです。新規Cu系ろう材の組成設計指針とその接合性評価結果から、パワーモジュール向け絶縁放熱基板やLED用サブマウントなどの電子部品、ダイヤモンドツールなどの加工工具、熱交換器などへの接合用途が示されています。実用化を想定した接合試作も進められており、多様な分野への応用が期待されます。

3.受賞した研究の概要
パワーモジュール、LEDなどの電子部品、加工工具、熱交換器において、構成する部位ごとの熱効率や電力消費の最適化、ならびに機械損失の低減を目的としたマルチマテリアル化が進展しており、それを支える技術として異種材料の接合が注目されています。特にセラミックスと金属の接合材として、従来はAg-Cu-Ti(チタン)系の活性ろう材※3が広く使用されてきましたが、近年の銀価格の高騰による資源リスクの増大や、接合温度の低温化ニーズの高まりにより、新たな材料の開発が求められていました。しかし、これまでに有効な代替材料の報告はほとんどありませんでした。
このたび、プロテリアルが開発した新規Cu系ろう材は、銀と比べて安価な銅を主成分とし、またAg-Cu-Ti系活性ろう材と比べて低融点化したことで、幅広い用途への適用が可能となりました。特に、高信頼性と高放熱性が求められるパワーモジュール向け絶縁放熱基板、長寿命化が求められる加工工具、配線層の厚膜化が必要な高輝度LEDやレーザーなどへ適用する際に優れた特性を発揮することが期待されます。
今後もプロテリアルは、お客さまのニーズの変化に柔軟に対応し、革新的な材料の開発と社会実装を通じて、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
界面接合研究賞とは
界面接合研究委員会の研究報告において特に優秀な講演と認められたもの、あるいは、これまでに顕著な功績が認められたものに授与される。
- 一般社団法人溶接学会界面接合研究委員会URL:
https://jweld.jp/researches/ij/
以上
- ※1ろう材:金属、セラミックスなどを接合するために使用され、接合される材料よりも低温で溶ける合金です。
- ※2受賞者の所属は研究報告時点のものです。
- ※3活性ろう材:一般的なろう材では接合される材質になじまず(ぬれ性が悪く)接合が困難な場合に、チタンなどの活性金属を添加した活性ろう材を使用するとぬれ性が改善し、ろう付けが可能になります。
【報道機関からのお問い合わせ】
コミュニケーション部 担当 南、井上 TEL 050-3664-9519
- 【お客さまからのお問い合わせ】
お問い合わせフォーム
https://www.cntct.proterial.com/contact/publish/inquiry?g=01&c=017&