第71回大河内賞にて「大河内記念技術賞」を受賞
2025年2月19日
株式会社プロテリアル
株式会社プロテリアル(以下、プロテリアル)は、公益財団法人大河内記念会が主催する第71回(令和6年度)大河内賞において、「連続鋳造圧延方式による高強度・高耐摩耗性を有する電車線用銅合金材料の開発」にて、「大河内記念技術賞」を受賞しました。今回受賞した業績の概要は以下のとおりです。なお、贈賞式は、3月25日(火)に日本工業倶楽部会館(東京都千代田区)で実施されます。
1.賞の名称
大河内記念技術賞
2.受賞業績
連続鋳造圧延方式による高強度・高耐摩耗性を有する電車線用銅合金材料の開発
3.受賞者
蛭田 浩義 | 株式会社プロテリアル | 電線事業部鋳造・製線技術部 技術主幹 |
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黒田 洋光 | 株式会社プロテリアル | 電線事業部鋳造・製線技術部 部長 |
辻 隆之 | 株式会社プロテリアル | 電線事業部鋳造製造部 部長 |
大友 守 | 株式会社プロテリアル | 電線事業部鋳造製造部鋳造課圧延係 係長 |
高村 進一 | 株式会社茨城テクノス | 製線製造部製線課製線係 |
4.受賞した業績の概要
(1)背景
鉄道は重要な社会基盤であり、運行が停止した場合には大きな混乱が生じます。運行の停止を防止するために鉄道会社では日々メンテナンスが実施されていますが、夜間作業も多く、人員確保が難しくなってきており、メンテナンスの省力化が重要な課題となっています。また当社が供給する電車用送電線(以下、トロリ線)は、省エネルギーの観点から、さらなる高電気伝導性が求められています。
プロテリアルは、トロリ線の高強度、高耐摩耗性および高電気伝導性を両立する銅合金材料を開発しトロリ線に適用することで、トロリ線の取り換え回数低減によるメンテナンスの省力化と送電ロス低減による省エネルギー化を実現しました。
(2)技術の特長と成果
金属材料の高強度化は、通常、より多くの添加元素を加えることで達成されます。一方、電気伝導性については、添加元素を多く含むほど低下します。このため、強度と電気伝導はトレードオフの関係にあり、同時に向上させることは困難です。
プロテリアルは、トロリ線の基本組成である銅に微量のスズとインジウムを添加することで強度を高めると共に、スズとインジウムを銅中の酸素と反応させて酸化物を形成させることにより、電子の移動の阻害要因となる添加元素の銅中への溶け込みを抑える技術を開発しました。また、形成された酸化物が微細に分散することで組織が強化され、トロリ線の強度・耐摩耗性が高まることを見いだしました。
この結果、高い電気伝導性を維持しながら当社の従来製品対比で強度で約1.2倍、耐摩耗性能で約1.4倍となるトロリ線(SNNトロリ線)用銅合金材料を連続鋳造圧延設備において量産することが可能となりました。SNNトロリ線は、張替え周期が長く、省メンテナンス化を実現することから、いちはやく西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)の在来線に採用されました。現在では、新幹線の安定した高速運行にも貢献しています。


大河内賞とは
大河内賞は、故大河内正敏博士の功績を記念し、公益財団法人大河内記念会が生産工学、生産技術、生産システムの研究開発並びに実施等に関するわが国の業績で、学術の進歩と産業の発展に大きく貢献した顕著な業績に対して、個人、グループまたは事業体を表彰する伝統と権威のある賞です。
- 公益財団法人大河内記念会URL:
https://okochi.or.jp/
以上
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