フレキシブルディスプレイ用チタン合金箔の販売開始
2024年4月25日
株式会社プロテリアル金属
株式会社プロテリアル
株式会社プロテリアル金属(所在地:大阪府吹田市、社長:権代晃一、株式会社プロテリアル 100%出資、以下プロテリアル金属)は、スマートフォンの大画面化方法として注目されているフレキシブルディスプレイ背面板用にチタン合金箔を開発しました。ディスプレイメーカー各社へのサンプル提供の結果、高評価が得られており、株式会社プロテリアル(本社:東京都江東区、会長兼社長 CEO:ショーン・スタック、以下プロテリアル)での販売を開始しました。フォルダブルスマートフォン(折りたたみ式スマートフォン)での採用をめざしてまいります。
1.背景
フォルダブルスマートフォンは折りたたむことでコンパクトになり、展開すると大画面のディスプレイの利用ができることから、まだ普及率は低いものの需要の増加が期待できます。
フォルダブルスマートフォンは、屈曲可能かつ柔軟なディスプレイを持つことが特徴で、この技術の進化が開発において重要な要素となります。デザイン性の向上や薄型化のためには、折り曲げ部の曲げ半径(Bending radius)を小さくする必要があり、より耐久性のある材料や、折り曲げ時の可動部の構造改善が求められています。特にディスプレイの背面に放熱や機械的強度の向上のために配置される背面板は、ディスプレイと共に折り曲げられるため、繰り返し曲げに対する耐久性が要求されていました。
そこで、ディスプレイ放熱板やリチウムイオン電池電極などに使われるクラッド材をはじめ、金属素材に関する高度な技術開発力を持つプロテリアル金属が、背面板の開発を行うことにしました。
2.概要
現在、背面板には、主にステンレスの板や箔が採用されています。曲げ応力(曲げた際に物体内部にかかる力)に対する耐久性を高めるため、冷間加工により材料強度を向上させたり、曲げ部にメッシュ状の加工を実施したりしています。しかし、冷間加工ではステンレスの特性により背面板が磁性を帯び、タッチペン等の使用に支障が生じる問題がありました。また、メッシュ加工では、ディスプレイに凹凸が生じ、外観上の不具合が生じる問題がありました。
これら課題克服のため、プロテリアル金属では、ステンレスと比べしなやかで、冷間加工後も非磁性かつ軽量なチタン合金(Ti-15-3-3-3)に着目し、より耐久性を向上させる開発を行いました。
その結果、ステンレスよりも繰り返し曲げに対する耐久性が高く、曲げ半径も2/3程度に小さくできるチタン合金箔を開発することに成功しました(図)。このチタン合金箔をスマートフォンのディスプレイ背面板として使用することで、フォルダブルスマートフォンの開閉に対する耐久性を向上させるだけではなく、デザイン性の向上、軽量化への貢献が期待できます。
ディスプレイメーカー各社にサンプル提供を行っており、既に数社から高評価をいただいたことから、プロテリアルでの本格的な販売を開始することにいたしました。

3.開発・生産
株式会社プロテリアル金属 技術開発部・北日本工場
以上
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