耐発錆性と熱伝導性を両立した「新プラスチック成形用金型材料」が
令和5年度中国地方発明表彰「島根県発明協会会長賞」を受賞
2023年10月19日
株式会社プロテリアル
株式会社プロテリアル(以下、プロテリアル)の「新プラスチック成形用金型材料」(発明者 關山 孝明、細田 康弘、片岡 仁、菅野 隆一朗)が、公益社団法人 発明協会主催の中国地方発明表彰において「島根県発明協会会長賞」を受賞いたしました。表彰式は、10月17日(火)にホテルグランヴィア岡山にて行われました。
1.名称
金型用鋼およびその製造方法(特許第5648947号)
2.受賞
「島根県発明協会会長賞」
- 株式会社プロテリアル
- 關山 孝明
- 株式会社プロテリアル
- 細田 康弘
- 株式会社プロテリアル
- 片岡 仁
- 元 日立金属株式会社
- 菅野 隆一朗
3.発明概要
家電、IT機器、自動車の内外装部品など多種多様なプラスチック製品の製造には、材料の樹脂を溶かして金型に流し込んで形を作る「射出成形」という方法が広く用いられています。射出成形に用いる金型には、強度や耐摩耗性、表面の仕上げの精度などさまざまな性能が要求されますが、近年は耐発錆性と熱伝導性の向上が重要になっています。
人が直接目にして、手を触れられる場所で使用されることの多いプラスチック製品を製造する金型には、高い平滑性や精度が求められます。生産の合間で金型を使用しない際に金型表面に結露して錆が発生すると、成形後の製品形状に悪影響を与えるため、使用開始前に金型を磨くなどして錆を落とすメンテナンスが必要となり、生産性を低下させることになります。また、金型は成形時に加熱と冷却を繰り返すため、高い熱伝導性が求められます。これまで金型に多く用いられてきたステンレス鋼は、耐発錆性にすぐれる一方、熱伝導性が低く、高価であるという欠点がありました。
プラスチックの生産性向上に寄与する特性を検討した結果、耐発錆性の向上について、単に発錆の量を減らすだけでなく、発錆が始まる時期を遅らせて金型のメンテナンスの時間を削減することが重要であることが分かりました。本発明では、発錆の時期を遅らせる方法を検討した結果、炭素、ケイ素、マンガンなど金型材料の成分組成を調整することで実現できることを突き止め、従来は両立が難しかった耐発錆性と高い熱伝導率を低コストで実現することができました。
プロテリアルは本発明の成果により、金型表面の高い平滑性を安定して再現可能な金型材料として汎用意匠品用金型材料「CENA®-G」および透明外装部品などに適した金型材料「CENA®-V」を開発しました。耐発錆性と熱伝導性を両立しており、意匠性の高いプラスチック製品の生産性を良くすることができ、住宅設備機器、家電製品、自動車のランプ部品金型など幅広い用途に採用されています。

以上
【報道機関からのお問い合わせ】
コミュニケーション部 担当 工藤 TEL 080-5971-1116
- 【お客様からのお問い合わせ】
https://www.proterial.com/contact/