高硬度マルエージング鋼積層造形材料
「ADMUSTER-YAG350AM」の開発・販売開始
株式会社プロテリアル
株式会社プロテリアル(以下、プロテリアル)は、金属積層造形向けに、一般的なマルエージング鋼よりもさらに高い硬度に調整可能な積層造形用マルエージング鋼 ADMUSTER-YAG350AMを開発し、販売を開始しました。
1.背景
金属積層造形は、従来の金属加工では実現できなかった複雑形状を可能にする技術として注目されている技術です。様々な分野への適用検討が広がっており、新たな積層造形用材料の開発が進められています。プロテリアルでは、積層造形“ならでは”の材料開発を進めており、様々な特長を有した材料を金属積層造形用材料 ADMUSTER シリーズとして展開しています。
金型や機械部品の積層造形には、造形性が良く、かつ比較的高い強度が得られる 300ksi 級マルエージング鋼※1が広く適用されています。プロテリアルは、このマルエージング鋼に着目し、積層造形向けのマルエージング鋼粉末の開発に着手しました。
2.概要
この度、プロテリアルは、一般的なマルエージング鋼よりも高強度なマルエージング鋼 YAG350※2をベースにして積層造形用粉末 ADMUSTER-YAG350AM(以下、YAG350AM)を開発、販売を開始しました。YAG350AMは、一般のマルエージング鋼とほぼ同じように造形や熱処理が可能であることをめざしました。その結果、積層造形向けの一般的なマルエージング鋼粉末と同等のお客様が適用しやすい特性を持ちながら、より高硬度に調質が可能な材料を開発することに成功しました。
3.特長
YAG350AMの造形物は溶体化処理※3をしない場合において時効処理のみで57HRC※4以上、溶体化処理をした場合において最高で60HRC程度の硬度を得られることを確認しており(表1)、積層造形向けの一般的なマルエージング鋼(溶体化処理せず、時効処理※5のみで54HRC程度)よりも高い硬度が要求される工具や金型、機械部品などへの適用が期待されます。
そのほかにも、同等の硬さに調整した場合において、高温保持中の硬さの低下も一般的なマルエージング鋼より緩やかであり(図1)、高温環境下での安定したご使用に貢献することを見込んでいます。また、溶体化処理を施さず、時効処理のみで同等の硬さに調整した場合において、優れた靭性を有しており(図2)、より強度・靭性のバランスが求められる用途への展開が期待できます。



- ※いずれの値も当社試験による代表値であり保証値ではありません。
プロテリアルでは、今後もさらにADMUSTERシリーズのラインアップを揃えていくことで、お客様の課題解決に貢献してまいります。
なお、YAG350AMは、2023年6月21日からポートメッセなごやで開催される「INTERMOLD名古屋」に出展します。
以上
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コミュニケーション部 担当 南 TEL 090-1043-4934
(ご参考)用語解説
- ※1300ksi級マルエージング鋼:熱処理後の引張強さが熱処理後の引張強さが最高300ksi(≒2068MPa)程度となるマルエージング鋼
- ※2YAG350:熱処理後の引張強さが最高350ksi(≒2413MPa)程度となるプロテリアルのマルエージング鋼鋼材製品
- ※3溶体化処理:析出物の固溶や組織の均質化等を目的とした熱処理
- ※4HRC:ロックウェルC スケール硬さを示す記号
- ※5時効処理:析出物の形成によって、硬度を調整することを目的とした熱処理
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