私は主に既存設備の改良や新規設備導入の工事管理を行っています。具体的には仕様の検討から入り、工事費用の算定、工期計画の策定、工事着工後は現場と工事業者のつなぎ役として工程管理・安全管理を行い、設備の稼働までをサポートします。
何を目的に設備の改良や導入を行うのかをしっかりと検討することを心がけています。例えば、安全性を高めたいのか、作業効率を高めたいのか、目的の本質を見極めた上で起案者である現場の方と最初の打ち合わせを行い、仕様について自分の考えを提示した上で要件を詰めるようにしています。

桶川に配属されて約半年間、現場の修繕チームとして活動していた経験から得た学びが、現在のスタイルになっていると感じます。実際に機械に触れ、解体や修繕をとおしてさまざまな設備を手で触り理解を深めることができました。現地現物を見て、装置だけでなく作業導線なども頭に入れた上で検討することが大切だと身を持って理解することもできました。仕事で得た経験をプラスしながら、常に自分をアップデートしていく感覚を楽しんでいます。

担当する工事は古い設備や専門的な設備が多いため、既製品の導入ではなく設備や周辺環境に合わせたオーダーメイド品になることがほとんどです。設備工事は生産作業に影響があるため、工程を組むにあたっては入念にシミュレーションし、現場や工事関係者に「いつ」「何を」やるのかを早め早めに伝えることで、協力を仰ぎやすいように行動しています。

すべての関係者と上手く連携し完遂するためには、何より事前の準備こそが重要だと思っています。以前、引継ぎを受けて途中から担当した案件がありました。装置に付帯する設備の改良を行ったのですが、装置が古く、製造元メーカーが実質ない状態だったこともあり、かなり難易度の高い案件で、ゼロから検討する必要がありました。加えて初期の検討に私が参加していなかったこともあり、さまざまな問題が発生しました。すべての原因は、仕様検討にあたって考えるべき観点が全員の認識から漏れていたことと、起こりうる問題を予測できていなかったことでした。自分が最初から携わっていれば防げたというわけではなく、自分も気づくことができない要因が数多くありました。

この経験から、検討段階で主観にとらわれることなく、あらゆる視点から検討し、準備を怠ってはいけないと再認識しました。オーダーメイドだからこその難しさ、関係者一丸となって認識共有する重要性、そのための準備を怠らないことこそ、私の介在価値だと意識しています。

機械の知識を深め、
電気や環境など知識の幅を広げていきたい

私は学生時代、主に機械系について学んできました。そのバックグラウンドを活かし、機械系の技術者として知見・経験を深めながら、今後は電気・環境系の知識も増やしたいと考えています。大型の設備導入工事を担当するには、機械系だけの知識では足りません。自身の幅を広げることでチャレンジできることを増やし、マルチプレイヤーなエンジニアをめざしています。

また、現在取り組んでいる工場の省エネ化にも注力したいと考えています。桶川工場は航空機部品の製造を行っているため、設備の要件が高く、簡単に設備変更できないという特性があります。長い歴史のなかで製品の規格など変化しており、インフラも複雑化しています。さまざまな制約下においても、ユーティリティの改善など省エネ化やカーボンニュートラルに寄与することにより取り組めるよう、積極的に提案・実装していきたいです。