私は特殊鋼製品のなかでも、材料金型や切削工具など工具鋼として使用される製品の営業を担当しています。営業は、主に特殊鋼を取り扱う商社の営業担当から依頼を受け、お客様を訪問しニーズに適した製品を提案します。工具鋼はプロダクト・ライフサイクルが長い製品で、20年以上同じ製品を使用しているお客様もいます。一方で、社会情勢の変化によってモノづくりの現場で求められることは刻々と変化しています。新しいモノをつくるために適切な工具鋼は何か、お客様が抱くさまざまな「解決したい課題」に可能な限り接近し、一緒になって解決策を探していきます。

このアプローチはただ製品を売る“モノ売り”ではなく「ソリューション提案型」の営業スタイルと言えます。製品特性に関する知識のみならず、ビジネスパートナーである流通商社様～ユーザー様の生産現場でのモノの流れに寄り添っていなければ成り立たない営業スタイルです。ビジネスパートナーである商社の方のお力を借りながら、提案内容を見極めるようにしています。

営業活動をするなかで2つ心がけていることがあります。ひとつは、できるだけ現場に足を運ぶこと。現場に行きお客様を知ることはもちろん、ビジネスパートナーである商社の方を支える意味合いもあります。当社だけで製品を多くのお客様に広く知っていただくことは難しいため、商社の協力は欠かせません。何かあれば頼れる存在だと思っていただき、違いに協力し合える関係を築くことが、私が果たすべき責任だと思っています。

もうひとつは、お客様に分かりやすく伝えることです。工具鋼にはさまざまな種類があり特性も異なり、さらに相手の理解度も異なります。自分が話しやすいように伝えるのではなく、常に相手の反応を見ながら伝わる話し方を意識しています。私は文系出身という事もあり、特殊鋼の特性や加工、用途などの知識は入社してから勉強してきました。6年目の現在もまだまだ「日々勉強中」　だと感じています。当社は特殊鋼メーカーとして、鋼種について幅広く、独自の知見を有しています。当社が有する技術力と、それによってもたらされる問題解決の可能性を、お客様により確かに理解していただけるよう、創意工夫を続けていきます。

可能性を限定することなく
Professionalをめざしていきたい

入社してから3年間は、安来工場で工具鋼の生産管理に携わっていました。当時の経験を活かし、お客様からのご要望と当社の生産プロセスにおける得意なことをつなぎ合わせ、先回りして提案やフォローすることができ、営業としてのアドバンテージを持つことができています。また、最初は右も左も分からず主観的な視点のみで周囲の情報に翻弄されていましたが、積極的にお客様先や現場へ赴き、社内外のさまざまな部署や立場の方々とのコミュニケーションを重ねることで、まだまだ道半ばではありますが、次第に俯瞰的な視点を持って「整理する・調整する・流れをつくる」ことができるようになりました。

成長を実感すると同時に、まだまだ研鑽を積む必要性も感じています。自分の型を決めてしまうのではなく、営業として最前線で走り回っているからこそ得られる変化の潮流を肌で感じながら、市場環境やニーズの変化に柔軟に対応できる、技術にも詳しい素材のProfessionalをめざしていきたいです。