育児を経験して変わるキャリア観
S.H.育休中は仕事を忘れて子育てに集中できましたか?
I.Y.集中できていたと思います。育休に入る前に引継ぎはできるだけ細かく行うことを心掛けましたし、引継ぎ相手に対する不安もなかったので、「あの仕事、どうなったかな」と思うこともありませんでした。
U.A.やはり事前準備は大切ですよね。私も育休に入る約4カ月前から引継ぎを少しずつ始め、私が主担当だった業務を後任の方が主導できる状態にまで準備することができました。育休中も起床時間の習慣化や離乳食の献立作りなど、復職後の生活リズムを整える準備をずっとしていました。
K.Y.逆に会社とのつながりを意識する場面はありましたか?
I.Y.2人目のときは会社の変革期だったこともあり、業務の変更点や新しい組織編成、人事異動など、メンバーから少しずつ情報収集していたので、自分だけ置いていかれる不安はありませんでした。
U.A.定期的に上司が社内の情報を送ってくれましたし、復職後に私は育休プチMBA®という制度※を活用しました。
※ ワークシフト研究所が提供する育休中および育休から復帰した方に特化したビジネス能力開発プログラムで、希望をすれば無料で受講することが可能。
I.Y.良い制度ですよね。ロジカルシンキングや復職後の業務効率向上を学ぶことができ、同時に育休者同士で交流する機会を持つことができます。実際に利用してみて、何か変化はありましたか?
U.A.仕事だけではなく子どものことを考える時間が増えたので、これまで以上にバランスを意識するようになりました。
I.Y.子どもが中心の生活に変化しますからね。「今日はこの仕事をやりたい」と思っていても、子どもの体調を優先しなければいけない日もありますし、今のバランスを考えると、今後のキャリアについてじっくり見つめることができていないと感じます。長期の育休を経た社員にどのようなことを求めているのか、期待しているのかを会社から示してもらえると、自分のゴールイメージをつくりやすいと思うようになりました。
S.H.人生の価値観自体が大きく変わるライフイベントを経験するわけですから、キャリアに対する考え方も変化して当然だと思います。私も以前は仕事で残業をしたり、生活のために働いている感覚も大きかったのですが、家族を最優先する考え方に変わり、今は少しでも早く仕事を終わらせて育児・家事に参加したいと思っています。
K.Y.私も退社時間を意識して日々スケジューリングするようになりました。18時から19時には家に着いて、子どもをお風呂に入れたりご飯を食べさせたり、あとは家事をできるだけ手伝えるようにしています。
I.Y.ところで、みなさんの充実したお話を聞いて1つ疑問に思ったのですが、さまざまな支援制度について、事前にどの程度把握していましたか?
U.A.正直、あまり把握していませんでした。産前は「いかに安全に出産するか」に集中していましたし、産後や復職後の「こういうときはこの制度が利用できる」というのは今でも把握しきれていない気がします。
K.Y.私もいざ取得するとなって調べ始めてから「1カ月間取得するなら出生時育児休暇、それ以上なら育児休暇」ということを初めて知ったくらいです。
I.Y.育休の期間について、プロテリアルでは最大3年間※取得できますが、別の会社に勤めている友人に話を聞くと最大1年間の会社が多く、制度が充実していることを改めて実感しました。
※ 子が小学校1年修了時までのうち3年を限度に、本人が申し出た期間取得が可能。
K.Y.期間については個々の都合にあわせて融通がきくことも嬉しいですよね。3年間という期間中であれば、事前に申請した期間よりも短縮したり長くすることもできます。例えば出産タイミングや自治体の制度、通う保育園の事情によって調整できます。
I.Y.私は実際に保育園への入所を早めたので、前倒しで復職しました。職場では「早く帰ってきてくれて助かるよ」と歓迎してくれた方もいて、私も嬉しく感じました。