ジェンダー平等の推進Gender

Special
Interview

経営職 特殊鋼事業部長

中平 優子Yuko Nakahira

これまでのキャリアを教えてください

もともとイノベーションや技術を生かした製品づくりに興味があり、工学部で化学を専攻し、卒業後は米国資本の住友スリーエム(現スリーエムジャパン)の日本支社で開発の仕事に就きました。開発の仕事は楽しかったのですが、当時扱っていた製品は価格競争などの理由から利益を上げることが難しく、「いいものを作っても会社の業績に貢献できない」という葛藤がありました。
そこで、企業経営を学ぶために退職し、米国のビジネススクールで2年間学びました。修了後はコンサルティング会社に入社、主に製造業と製薬会社を担当し、さまざまな企業の経営課題解決に関わることで、いずれは事業会社でビジネスをやりたいという想いを強く抱くようになりました。その後、住友スリーエムに再入社し、経営・事業統括などを経験した後、日本の化学素材メーカーからグローバルカンパニーへと変革を遂げるために貢献できる人材が欲しいと打診され、三菱ケミカルグループへ転職しました。CFOとして2年間勤務し、在職時のミッション修了後にプロテリアルに転職し、今に至ります。

プロテリアルに入社を決めた理由を教えてください

これまでのキャリアを通して製造業で技術をベースにグローバルに成長し続ける事業を築くことが私の原動力でした。ですので、それが適う仕事があれば関わりたいと思っていましたが、前職を退職した後はあまり積極的に次の仕事を探してはおらず、夫がタイに住んでいたため、日本とタイとを行き来をしながらゆったりとした時間を過ごしていました。
そんなとき、プロテリアルがグローバルなビジネス環境で事業をリードできる人材を探していると聞き、興味を持ちました。技術に立脚した歴史の長い企業でありながら、企業自体が大きな変革の最中にあり、将来的に再上場も視野に入れていることを知って、面白さを感じると同時に、何か貢献できることがあるのではないかと直感しました。事業を単に引き継ぐのではなく、変わっていく過程に関わることや新しい経験ができることへの期待感から、入社を決めました。

プロテリアルで働く上で重視していたことはありますか?

中期経営計画を実行するための体制構築や実行に必要なスキルの確保と同時に、社員一人ひとりが変革のプロセスを、やりがいをもってワクワクしながら取り組める意識改革を進め、チャレンジする企業風土を醸成していくことです。
2024年10月から事業部長として計画の実行責任を受け持つ立場になることになっていましたので、計画策定段階から少しでも早く関わりたいと考え、1か月前の9月に特別顧問として入社しました。 入社後は、会社を知る、事業を知る、人を知るということに重きをおき、活動を進めています。
その中で、グローバルカンパニーとしてこれから成長し続けるためには、足元の収益性を改善する必要性を強く感じました。他にも成長領域の事業における品質システムの整備やサプライチェーンの構築といった解決すべき課題もあります。
私のような外部の人間をリーダーとして迎えるのは、プロテリアルが今こそ大きな変革が必要だと判断したということであり、課題を解決した先に目を向け、この組織がどんな成長や変化を遂げることができるのか、大変さよりも未来への期待の方が大きいと思います。

変革におけるDEIの重要性をどう考えていますか?

大きな変化を成し遂げるためには、これまでと同じメンバーだけでは実現することができないと考えています。新しい考え方や多様な経験を取り入れる必要があります。加えて、単に多様なメンバーを揃えるだけではなく、さまざまな考えが尊重され、多様なメンバー全員が参画できる環境が整備できなければ、変革を実行する社員のモチベーションを高めることはできないでしょう。「このアイディアを実現するためには、この分野の勉強が必要だけれどやってみよう」と自分たちの意識を高めていくために必要なのがDEIだと考えています。今までの延長線上で課せられたことをやるのではなく、大きな変革を遂げる必要がある企業にとって、DEIは欠かせない礎ではないでしょうか。

DEIの浸透のために大切なことは何ですか?

現在、変革に向けたプロジェクトがいくつか立ち上がっていますが、年齢、性別、国籍、従来から在籍している社員、新しく外から入ってきた社員を問わず、多様な考え方を取り入れなければ、変革を成し遂げることはできません。まずは多様な考えを成功への原動力とすることで実績をつくり、他の拠点に浸透させていくという循環を作ることが大切だと思います。これは変革に対する社員のやりがいや充実感を生み、外からプロテリアルを見たときに「いきいきと働けそう」「充実したキャリアが歩めそう」というイメージとなって、志をもつ新しい仲間をさらに受け入れることにつながります。
その意味で、現状のプロテリアルには危機感を持っています。例えばジェンダーフリーという観点で言えば、まず女性社員の数が少なく、現在も女性がキャリアを形成しやすい会社になることに取り組んでいますが、十分とはいえません。外に目を向ければ、すでに成果を上げている会社はあります。つまり、女性にとって魅力的なキャリア形成を実現できる企業が世の中に増えつつあり、現状のままではプロテリアルを選んでいただくことは難しいでしょう。意思決定層にもっと女性を採用し社内の意識を変えていくこと、そしてプロテリアルの女性社員の登用や育成も同時進行で取り組むことが必要だと思います。
また、女性だけに限らず、若者や外国籍の方など含め多彩な人材から選ばれる企業にならなければ、変革のための挑戦の風土を根付かせ、発展させていくことはできないと思っています。

これからプロテリアルでどのようなキャリアを歩みたいですか?

ここまで「変革」を一つのキーワードとしてお話してきましたが、まずはこの変革を楽しみ、多くの方と一緒に進めていきたいと思っています。社員のみなさんにはグロースマインドセット「自分の才能や能力は、経験や努力によって向上できる」という考え方をベースに、たとえ取り組んだことに結果がともなわなくとも、経験を糧により多様な視点を取り入れて学び、前へと進めていくという成功体験を積み重ねて欲しいと思います。
プロテリアルがMissionとして掲げる「質の量産」は、これまで培った確かな技術力と、支えてきた社員の力があってこそ成り立つものです。これは強みにすがり続けるのではなく、これから先に目を向けて、強みをどういかしていくか、柔軟に考えなければ実行することができません。今後もみなさんと一緒に、新しい技術の確立にチャレンジしていきたいですし、失敗はみんなで学び、成功はみんなで称えあう、どんな挑戦も楽しみながら進んでいける企業になることが理想です。
私もこれまでの経験をいかし、変革を牽引していくだけでなく、社員一人ひとりがいきいきとキャリアを形成できる会社の変革に挑戦し続けていきたいと思います。

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