冷水供給機器 チルドタワー®

年間30~90%の省電力、10~30℃の冷水供給。
チラーとのイニシャルコスト差を低ランニングコストで回収

製品紹介

チルドタワーとは

特長

導入のメリット

システムの概要(配管例)

密閉システム

[図]配管例:密閉システム

半密閉システム

[図]配管例:半密閉システム

開放システム(水槽を用いる場合)

[図]配管例:開放システム(水槽を用いる場合)

異なる温度の冷却水が必要な場合

[図]配管例:異なる温度の冷却水が必要な場合

設置事例

機種選定

サポート

よくある質問

Q1
冷却塔散水槽の詰まり対策はされていますか?
A

一般的な冷却塔では、冷却コイル上方にある散水槽の穴に藻やゴミなどが詰まりやすく、一定期間経過すると散水が不安定になり、冷却効率が下がると共に、充填材や銅コイルにスケールがつきやすくなります。
しかし、チルドタワーは散水槽がドーナッツ状になっており、その散水槽をくるくるクリーナー(下写真参照)が走り回り、穴を詰まらせる原因であるゴミや藻などを掻き落としますため、年中安定した散水を確保でき、冷却効率が落ちにくく設計されております。

[写真]くるくるクリーナー 散水槽がドーナッツ状になっており、そのドーナッツ状の散水槽をくるくるクリーナーが走る
Q2
メンテナンスはどの程度実施する必要がありますか?
A

チルドタワーの内蔵冷却塔は銅管の間に充填材を持たず、銅裸管を巻いた構造になっているため、水を使用した高圧洗浄で銅コイルを洗浄できます。年1回(使用条件による)の高圧洗浄を定期的に実施いただければ、チルドタワーをより長くご使用いただけます。

[図]チルドタワーの内蔵冷却塔は銅管の間に充填材を持たず(内側に配置)、銅裸管を巻いた構造になっています
Q3
メンテナンス費はどの程度かかりますか?
A

チルドタワーはチラー部の稼働率が低いため(冷水供給温度20℃の時チラー稼働率約20%)、通常チラーに必要な定期的なオーバーホールが必要ありませんので、その分メンテナンス費は安くなります。

チルドタワーの内蔵冷却塔は一年に一度(使用条件による)、高圧水洗浄により銅コイル表面を洗浄します。汚れがひどい場合には、別途薬剤による洗浄をお勧めさせていただきます。

通常のメンテナンス実施内容は、主に内蔵冷却塔銅コイルの高圧洗浄、電気系チェックと各部品の定期交換で、メンテナンス履歴よりその都度提案・実施させていただきます。

一般的なチラー冷水供給システムのメンテナンス必要箇所
[図]一般的なチラー冷水供給システムのメンテナンス必要箇所

チルドタワーでは内蔵チラーの稼働時間が非常に短いため、通常チラー本体の定期的なオーバーホールは必要ありません(*1)。
また、冷媒は内蔵冷却塔で散水により直接的に冷却されるため、水冷チラーにおけるチラー本体にある冷媒と冷却水の熱交換器(冷媒用凝縮器)は存在せず、その熱交換器の定期的な洗浄は必要ありません(*2)。

Q4
チルドタワーの内蔵チラーの構造・性能は水冷チラーと同じですか?
A

中間温度の冷水用設計と蒸発式コンデンサーの採用で、20~25℃の冷水供給でのCOPは5.0~5.5(外気湿球温度27℃)と非常に高い冷却効率です。

[図]COPは5.0~5.5と非常に高い冷却効率です

(1)蒸発式凝縮器によりCOP向上

水の蒸発潜熱を利用した蒸発式凝縮器は散布した水の蒸発により冷媒を直接的に冷却するため、一般的な水冷チラーで使用される冷却塔からの冷却水との熱交換の場合と比較して、冷媒をより低温まで冷却することができ、冷凍サイクルをより効率化できます。また、散水のための小さなポンプは付属されますが、冷却塔から供給される冷媒冷却用の冷却水をチラー内蔵凝縮器へ搬送するためのポンプ(冷却水ポンプ(1)は不要となります。

[図]水冷チラー本体(屋内設置) チルドタワー内蔵チラー部概略(冷媒系統のみ)(屋外設置)

(2)中間温度供給によるCOP向上

一般的なチラー冷水供給システムでは水冷チラーで7~10℃の冷水を製造し、負荷側(二次側)には熱交換器、三方弁、循環ポンプを使用して間接的に20℃の冷水を供給します。これに対して、チルドタワーは直接20℃の冷水を供給することができるので、冷媒の蒸発温度を高めることができ、一般的なチラーシステムと比較して高い冷却効率(機器単体COP(一般的にCOPと呼ばれています))を得ることができます。

水冷チラーシステムの構成
水冷チラーシステムの構成
チルドタワーシステムの構成
チルドタワーシステムの構成

COPの向上

COP(Coefficient of Performance)とは機器の入力エネルギーに対する出力エネルギーの比を意味し、1kWの電力消費で1kWの冷凍能力を得た時、COPは1となります。

p-h線図
[図]p-h線図

COPを高めるには次の2通りの方法があります。

(1)<h2-h1>を小さくする・・・圧縮機の仕事量が小さくなる

(2)<h1-h3>を大きくする・・・冷却能力が大きくなる

チルドタワーは下記方法によりCOPを向上させています。

⇒・凝縮温度を下げる・・・チルドタワーの内蔵チラー蒸発式凝縮器の採用により一般的なチラーと比較して凝縮温度を低下させている

⇒・蒸発温度を上げる・・・チルドタワーの内蔵チラーは蒸発器の中間温度専用設計により一般的なチラーシステムと比較して蒸発温度を上昇させている。

<参考> 冷凍サイクル中の冷媒・蒸発過程は等圧変化で、気液混合状態となります。その状態では、蒸発・凝縮圧力は蒸発・凝縮温度に依存します。つまり、凝縮温度を低下させることで凝縮圧力は低下し、蒸発温度を上昇させることで蒸発圧力を上昇します。従って、冷媒温度を上昇、下降させることで、上記p-h線図の縦軸である冷媒圧力(p)が上下します。

<1>蒸発式凝縮器採用によるCOP向上(冷媒の凝縮温度低下)

  • 下記する冷凍サイクルは説明用であって、実際のチルドタワーの冷凍サイクルを示したものではありません。
p-h線図
[図]p-h線図

<2>熱交換器中間温度専用設計によるCOP向上(冷媒の蒸発温度上昇)

  • 下記する冷凍サイクルは説明用であって、実際のチルドタワーの冷凍サイクルを示したものではありません。
p-h線図
[図]p-h線図

(参考)チルドタワーの熱源システムCOPの推移

[グラフ]チルドタワーの熱源システムCOPの推移

チルドタワーは、秋期から春期にかけて圧縮機と密閉式冷却塔のハイブリッド運転、フリークーリング運転へと自動的に切り替わり、圧縮機の稼働率が格段に減少するため、上記で示すように熱源システムCOPが格段に向上する。

Q5
冷却塔が密閉式だと冷水が凍結して銅管が破裂しませんか?
A

循環水の凍結は設備の長期停止時に発生する可能性があります。チルドタワーは設定温度以下になると自動的に循環ポンプを稼働させて、冷水の凍結を防ぎます(信号線の結線が必要です)。
また、寒い地域においては散水槽・散水配管凍結防止ヒーター、循環系配管凍結防止ヒーター(共にオプション)の追加をお勧めします。

ただし、外気温が非常に低い日で、循環ポンプが故障し冷水が循環しない場合、冷水の凍結を回避できないことがありますので、その場合は予備ポンプや予備電源を設置することをお勧めします。もしくは、取扱説明書に従って冷水の水抜きを実施するようにしてください。

Q6
チルドタワーのチラー部分の台数制御とはどういう制御ですか?
A

独立したチラーの台数制御を意味し、複数台のチラーを必要負荷に応じて、必要な台数稼動し、消費電力を低減する制御方法です。
チルドタワー出口設定温度に対して、一定の温度管理幅を持ち、温度上限に達すると稼働時間が一番短い圧縮機を1台稼動し、温度下限に達すると稼働時間が一番長い圧縮機を1台停止するという制御を行います。

[図]圧縮機台数制御方法
Q7
真夏の暑い時って、チルドタワーの内蔵冷却塔で循環水が温まりませんか?
A

空冷チルドタワーを例に説明します。外気乾球温度が機器冷水入口温度より高くなった場合、内蔵冷却塔(ラジエータ)に通水すると吸熱し、熱損失を生じます。この場合、自動的に内蔵チラーへ直接通水(バイパス運転)することで熱損失を防止し、効率良く設定温度の冷水を供給します。

水冷タイプ(Wシリーズ、Rシリーズ)も同様にバイパス運転し、熱損失を防止します。

空冷チルドタワーのバイパス運転

[図]空冷チルドタワーのバイパス運転
Q8
能力線図からはみだして、小流量(50%以下)や大流量(150%以上)で使用できませんか?
A

最近は搬送動力を減らすために小流量大温度差で配管システムを設計されたり、精度高い温度の冷水供給が必要な半導体製造装置などにおいて大流量低温度差で設計されたりしている実績が増えてきておりますので、是非ご相談ください。

Q9
冷水入口温度が45℃を超える場合はチルドタワーでは対応できませんか?
A

02Wシリーズでは常用温度として冷水入口温度は45℃が上限となっていますが、下記のようにバイパスを組むことで45℃以上の循環水においても対応できる場合がありますので、是非ご相談ください。

例)負荷側で25℃→50℃で冷水を使用するとき、50℃の水を直接チルドタワーへ通水することは不可能ですが、下記の通り途中でバイパスすることで対応できます。

[図]バイパス

チルドタワー設置に伴う関係法令

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